「潤滑油鉄粉濃度計」


潤滑油鉄粉濃度計
◆ 特長
1.振動法では難しい低速回転機械に対して有効です。
2.サンプルを挿入して2〜3秒で測定できます。
3.鉄粉濃度を高感度で検知します。(潤滑油:1ppm)
4.ポータブル(重量480g)だから、現場で測定可能です。
◆ 使用方法
被測定オイルを、サンプル瓶などに採取しよく振って撹拌します。すぐにシリンジにオイル採取ノズルを取り付けて、サンプルオイルを採取します。
シリンジをよく振って、サンプルオイルを撹拌してから、シリンジホルダーに装着します。
装着後すぐに挿入してください。自動的に鉄粉濃度が計測され表示されます。


◆ 診断事例
軸受のフレーキング検出事例
 
内輪軌道面には片側に偏った激しいフレーキングが見られる。

転動体(ボール)にもフレーキングが発生している。
ギアの破損検出事例
 
3段ピニオンギヤ17枚中15枚が上側より約100mm破損している。

3段ギヤの1/3幅に激しいピッチングが見られる。
バイエル変速機コーンディスクの
磨耗検出事例


コーンディスクに異常磨耗あり。



◆ 鉄粉濃度計活用事例 −大型低速撹拌機軸受−


◆ 仕様
形 式 OM-811
測定原理 磁気バランス式電磁誘導法
測定対象 潤滑油中の鉄粉濃度
測定範囲 0〜19999ppm(Wt)
最小分解能 1ppm
ゼロ調整 自動調整
サンプル量 1.5ml
電 源 単3形アルカリ乾電池4本 または ACアダプタ
連続使用時間 *1 アルカリ電池使用の場合約30時間
使用温度範囲 0〜40℃
寸 法 W84×H190×D40mm
重 量 約480g(電池含む)
付属品 キャリングケース、2mlシリンジ(5個)、オイル採取用ノズル(2個)、シリンジホルダ、単3形アルカリ乾電池4本
別売オプション ACアダプタ
*1 環境条件、使用条件、保存期間、電池メーカーなどにより異なる場合があります。


◆ OM-810・811の検出原理
原理図 磁気バランス式電磁誘導法は、検出コイルの両側に励磁コイルを配置し、2つの励磁コイルによる発生磁界が検出コイル付近で互いに打ち消されるように構成した磁気回路センサです。通常、検出コイルは誘導電圧は発生しませんが、一方の励磁コイルに鉄粉を含んだサンプルグリースを挿入すると、磁気バランスが崩れて検出コイルに誘導電圧が発生します。この誘導電圧によりグリース中の鉄粉濃度を測定することができます。
[特許出願中]


◆ 判定基準例
次の表は測定基準の参考例です。回転機の種類及び使用形態は多種多様であり、本基準例の適用が難しい機器もあると思われますが、鉄粉濃度値の傾向管理とデータの蓄積により、それぞれに機器にあった相対的な適用基準値の構築をお勧めします。
グリース鉄粉濃度

判定基準
正常値 0.05%wt以下
注意値 0.05〜0.1%wt
異常値 0.1%wt以上
潤滑油鉄粉濃度

判定基準
大型機械 小型機械
正常値 30ppm以下 100ppm以下
注意値 30〜100ppm 100〜300ppm
異常値 100ppm以上 300ppm以上